今回はエンジニアの
コミュニケーションの中でも
「聴く」事に
フォーカスした話をしたいと思います。

コミュニケーションには
読む、書く、聴く、話す
と4つありますが、その中でも、
最も大切なものは間違いなく
「聴く」能力です。

なぜなら、
エンジニアはクライアントの
要望や課題を解決するのが
仕事ですが、

それを達成する為には
そのクライアントの
やりたい事や状況を「聴く」
必要があるからです。

 

ですが、この「聴く」というのは
実は、エンジニアとして
技術的にも
高いスキルが要求されます。

なぜなら、クライアントから
「聴いた」内容に応じて
柔軟に対応する必要が
出てくるからです。

 

ですから、
それができないエンジニアは
自分の知っている事、
自分のやろうとしている事を
そのまま押し進める為に
「話す」方が流暢になります。

ですから、本当に
レベルの高いエンジニアというのは、
「クライアントに提案を伝える」
という事も、もちろん大切なのですが、

その前提として
「クライアントの要望や状況を聴く」
という事がきちんと出来ているのです。

 

そして、「聴く」力が
効力を発揮するのは
エンジニアとクライアントの間
だけの事ではありません。

エンジニア同士の
コミュニケーションでも
この「聴く」力というのは
大切になってきます。

しかし、これも
クライアントに対する時と同様に
「聴く」というのは、その聴いた後の
状況の変化に対応する能力というのが
問われます。

ですから、その様な
状況の変化に対応できない
無能なリーダー、
無能な管理者というのは
自分のやろうとしていた通りに
進める為に「話す」方にばかり
力がいってしまうのです。

 

例えば、私がサラリーマン時代に
以下の様な出来事がありました。

それは同じ会社内の別部署の人と
一緒にやっていた
データ解析プロジェクト
なのですが、

確かに、その人達が
それまで、やっていた
データ解析に関しては
「このやり方どうなのかなぁ?」
と感じる部分がありました。

 

ですから、
その人には新たな解析方法を
提案する方向性で
行く事になったのですが、

実際に私がその人と
打ち合わせ時間をとって、
その提案を行なった所

「確かにもっと良い方法が
あるのかもしれないし、
続きがあるとしたら、
そういった方法で
やるべきかもしれないけど、
現在においては
状況的にそれは考えていない。」

といった答えが返ってきました。

 

ですから、
結局その場では、
それまで通りの解析を
続けていく方針で
やっていく事になりました。

しかし、その様な
やり取りを、チームのミーティングで
伝えたところ、
上司から返ってきた言葉は
以下の様なものでした。

「お前の方法が間違っているから、
やらないと言われたんだ。」

 

私は時間を取ってミーティングし、
確かに
「他の方法をやる事は考えていない。」
という言葉を聞いたのですが、

しかし、その上司は
何の根拠もなく、推測で
私が提案している方法が
間違えているからと
言い放ったのです。

私は当時のやり取りの状況を
詳細に伝えたのですが、
それでも上司は

「お前の方法が間違えている。」

の一点張りでした。

 

ちなみに、この件は後日
その上司も交えて、
担当者とミーティングをし、
元々私が聴いていた通り
従来通りの解析方法は変えずに
進めていく事になりました。

これは、聴く能力のない
管理者の最たる例です。

私は自分が時間を取って
ミーティングをし、
自分の耳で確かに聞いた事を
伝えたのですが
その上司はその様な事には
一切耳を貸さず
自分が状況の変化に
対応できないのを棚に上げて
憶測や偏見、願望で
「お前が間違っている」
の一点張りだったのです。

 

「聴く能力」が高いエンジニア、
リーダー、管理者というのは
ごく少数とはいえ、
その能力がここまで低いと
憎しみの感情すら湧いてきます。

それでは、なぜ
そこまで、聴く能力のある
エンジニアが少ないかというと

それは、そもそも
誰もが自分本位で物事を
考えてしまう事にあります。

・・・ つまり、
聴く能力がある、ない という以前に
聴く事をそもそもやろうと
していないのです。

 

お客様の立場に立って考える。
相手の立場に立って考える。

・・・ というのは、
いろいろな場面やビジネスで
言われる事ですが、

しかし、そもそも
その様に言われる事自体が
普段、多くの人が物を考える時には
自分中心で考えてしまう事を
意味しています。

 

それは、それで自然な事だとは
思いますが、
しかし、ずっとその様な姿勢で
やっていたのでは、
お客様の本当の状況を
把握する事はできませんし、
それが出来ないと、価値あるものを
提供する事はできません。

また、チームのメンバーの力を
引き出す事もできません。

 

ですから、まずは
聴く「能力」を身に付ける以前に
聴こうとする「姿勢」を
身に付けて下さい。

人間、自分がやろうとも
していない事の能力が
伸びる事はないのですから・・・。